北海道旭川市にある西神楽地区は、人口約3,200人の旭川市街地に隣接する農村地域です。
大雪山の清流と美瑛川が運ぶ豊かな土壌と気候に恵まれた旭川有数の米どころで、明治23年から北海道の稲作をささえ、農地は基盤の目のように美しい水田風景が広がっています。大地の恵みと自然に育まれるこの地域は、古くからの農家さんの苦労があったからこそ、今、豊かに広がる水田景観の美しさになっているのです。農作物は「ゆめぴりか」や「あや」などの北海道ブランド米を全国各地の食卓へ届けています。西神楽の気候は稲作だけではなく、畑作にも豊かな恵みをもたらします。彼方に大雪山連峰を望む展望地で獲れるアスパラ、ジャガイモ、とうきび、メロンは北海道みやげとして喜ばれ、小規模ながら自然農法や無農薬などの農業を取り入れた農家で生産されたトマトやイチゴなどもあり、花卉、大豆など豊富な作物に恵まれています。
西神楽地区の現状は、農家の担い手不足、農業従事者の高齢化に伴い人口も減り、高齢者率（47％）で空き家も増えてきているが多のが現状です。

この地域は、夏は過ごしやすい反面、冬とても寒くは厳しい気候の地域です。

-20度を下回る日が年に数日あり、夏の暑い日は30度を超える日もありますので、年の温度差は50度以上になります。冬の暮らしは厳しく、除雪・建物内の暖房は不可欠です。外は寒くても、家の中はしっかり暖房器具（ストーブ）を付けますので、暖かい反面暖房費がかさみます。地域では、ほとんど家庭が灯油の暖房器具を使用しています。除雪は、家の出入り口や駐車場など持ち家のある人は自分たちでスノーダンプといわれる大きなショベルで庭先の雪かきをします。冬期間、11月中旬から3月下旬ぐらいまで雪が降るので、12月～3月までは朝から除雪しないと車を出せない日もあります。広い範囲は重機や除雪車が必要ですが、道路は、各自治体が除雪車で除雪を行いますので朝起きると除雪されています。
その他にも、庭木を植えると「冬囲い」という雪の重みや寒さから守る縄や竹・木材などを使って植物を囲う作業や車のタイヤを冬用に交換、靴も冬用の滑らない靴、防寒対策の上着や手袋・靴下が必要です。